恋人未満のこじらせ愛
「何か課長の弱点とかないの?『アレが嫌い』とかさぁー」

六島さんは定食を食べながらもぐいぐい聞いてくる。
さすが謎の生態だな、大村課長。

少し考えたけど、思い当たることは一つ。
「朝弱いことかな…?」

「えっ…そうなんですか?めっちゃ意外です」
「私も」

二人とも本当に意外だったらしく、びっくりしているようだ。


「寝起きも超悪いですよ。サークルメンバーで起こしに行った時に同級生が……痛っ!」

ゴツンと頭に何かがぶつかる。

振り向くと
「課長……」が若干みそ汁が零れたお盆を持っている。
お盆は凶器だ暴力だ。


「俺が何だって??」

そのままなに食わぬ顔で、課長は隣に座った。

「昔の話ですよ。みんなで起こしに行ったら何でかリョウ君にビンタ食らわしてたじゃないですか」

「あれはリョウが悪い。いきなり布団めくりやがって……第一あの後ジュース奢ったからチャラだぞ」

「そりゃ三十分経っても来なかったらそうなりますよ」

「第一、休日に朝十時集合は早いだろ」

「……いや普通じゃないですか?」

何か納得いかないといった顔をしながら、課長はみそ汁をすすり、定食を食べ始める。
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