恋人未満のこじらせ愛
ベルトコンベア形式で流れるようにしていくのかと思いきや、びっくりするほどの手間隙をかけて撮影が行われている。
ライト一つでも、少し動かすだけで全然表情が変わるのが面白い。


私が見とれている最中、課長と南條さんは仕事の話を始める。
話に加わるフリをするが……チラチラ横目で撮影の様子を観察する。気になって仕方がないのが本音だ。


しかし南條さんはよく話す。
「この前の撮影の後で……」だの「このフォントの見出しが……」だの。

びっくりするほど話すが…正直、何を話していたかは全く頭に入らない。
スタイリッシュの仮面を被ったおばちゃんみたいだ。

適当に相槌を打ってはいるが、私の心はすっかりと南條さんではなく撮影の方へと傾いていた。
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