三途の川のお茶屋さん
コトン。コトン。
湯呑みと団子ののった皿をテーブルに置く。
「っ!」
その手をグッと掴まれて、ビクンと肩が跳ねた。
「な、何か?」
私の手首を掴む、皺がれた手の主を見る。手の主は高齢の女性だ。けれど三途の川の常で、朗らかな笑みを浮かべる
老婆とはやはり、目線は合わなかった。
「あんれぇ? 何だったっけかねぇ?」
! えっ?
老婆の素っ頓狂な言葉に、僅かに持った警戒心がふにゃりと緩む。
「ふふふっ。もう、おばあちゃんったら」
「あぁ、そうじゃったそうじゃった。ちょいと耳を貸しておくれよ」
老婆はニコニコと微笑んで、私を手招く。
「え?」
老婆からは欠片も敵愾心を感じない。だから私は皺がれた温かな手に引かれるまま、老婆に耳を寄せた。