三途の川のお茶屋さん
「ええっとね……、思い出せと言っていたね。天界に生まれた記憶に、いつまで見て見ぬ振りをして過ごすつもりだ、……だったかね。うん、そうじゃったそうじゃった!」
老爺は伝えきれば、やり切ったとばかりに満足げにうんうんと一人顔を頷かせていた。
「おばあちゃん!? それは、誰からの伝言!? 誰に頼まれたの!?」
「さぁて? ようけ覚えとらんね、あたしゃ、これだけ伝えてくれと頼まれてねぇ。誰かいい男からの伝言かい? ふふふふっ、お前さんも隅に置けないねぇ。おっと、このあんこの団子は美味そうだねぇ」
老婆は伝え終わればもう、私に一切の興味を失ったようで、私の手を離すと意気揚々とあんこの団子に噛り付いた。
「おぉ、こりゃ美味い」
ほくほく顔で、老婆は団子を平らげていた。