Love season

私は今日もなぜか中庭に来ていた。

なんで私いるんだろう。

私が1人で木の下に立っていると

「またいたのか」

と真先輩の声がした。

心臓の鼓動が速くなっていく。

「邪魔なら教室に戻りますけど」

私は心臓の鼓動が聞こえないようにそう言って中庭を出て行こうとした。

「まて」

と突然、真先輩に呼び止められた。

「は、はい?」

驚いて振り返る。

まさか呼び止められるとは。

「お前、なんでここに来てる」

そう尋ねられ、なんて返せばいいのかわからない。

なんでって、自分にもよくわからないのに......

「なんとなくです」

私は強がってそんな風にぶっきらぼうに言った。

「変な奴だな、お前」

とだけ言うと彼は桜の木下にあるベンチに腰掛けた。

私はそんな彼を無視して中庭を出た。

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