想い花をキミに

love stage16. 分かってはいるけれど

"おい、起きろ、まじで死ぬぞ。"
隼太と初めて出逢った日。

"俺と付き合わないか"
うるさいほどの心臓の高鳴り。

"お前こそ男心を分かれよ"
すれ違ってしまった想い。

"離れていかないで……"
初めて彼を失うかもしれないと思った時。

"俺だけなんだって思わせてくれ"
深い気持ちをぶつけられたこと。

思い出してもきりがないくらい、私たちには思い出があった。
想い合った時間があった。

身分違いなことは分かっているけれど、やっぱり隼太が好きな気持ちは変わらない。時間をおいても一層強くなるばかりだった。

「会いたい。」

さっきから携帯の画面に表示されているのは隼太との写真やLINEのやり取りばかり。
過去のLINEを見返しては胸がぎゅっとなり、見ないようにしてもまた気になって携帯を開いてしまう。

その繰り返しで私の一日はあっという間に過ぎていく。
何やってんだろ。こんなことしてても何も変わらないのに。

それから私は気を紛らわせるために色々なことにチャレンジしてみたけどどれも続かなくて失敗に終わった。
だけど一番良かったのは単純なことだけど勉強だった。

特にやりたいこともなかったけど、やりたいことが見つかった時のために勉強しておくのは悪いことじゃない。
そう思った私は、とりあえず机に向かう時間が増えた。
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