想い花をキミに
季節はもうすぐ春を迎えようとしていた。
私ももうすぐ高校三年生になる。

そして隼太は卒業を迎え大学生になるはず。

一つしか変わらないのに高校生と大学生では全然違うと思う。
大学生は華やかだから、隼太はすぐ大人っぽい女の人に好かれてそっちに目移りして私の事なんて忘れていくんだろうな。

ま、社長さんの娘さんと結婚するんだからそんなのは関係ないんだろうけど。
皮肉にもそんなことを考える余裕ができるくらいには気持ちが落ち着いていた。

それでも、もっと離れていく隼太の存在に焦りを感じずにはいられない。

「私も何か頑張れること探そうかな。」

そう思った私は、


「「進路?」」


久しぶりにいつもの友だちに声をかけ、相談することにした。
先に着いてそれぞれが好きな物を注文していたため、後から合流した私は席につくと店員さんに「ミルクティー、ホットで」と注文し本題を切り出した。

「うん。もうすぐ高校三年生だし、みんなは進路の事どうするのかなって思って。」

「そうだよね。そろそろ考えないといけないよね。」

「あ、私はもう決めてるよ!」

その中の一人の発言に、みんな一斉に目を丸くする。

「え!何々?何になるの?」

私もテーブルに乗り出して耳を傾ける。

「私はね、短大に進んで保育士になるの。子供が好きだし、いつか自分が結婚した時も子育てとか楽にできるんじゃないかなって思って保育士になりたいの。」

そう語った友人はなんだかすごくキラキラして見えた。
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