想い花をキミに

love stage18. 止められない想い

”隼太が好きだ”

そう認めてからの私は、妙に積極的になっていたと思う。
自分から彼にLINEや電話をするし、時間なんてないはずなのにご飯に誘ってる。
私が誘うたびに「いいよ」って応じてくれる彼を見て、多分同じ気持ちが絶対に同じ気持ちだ、に変化していったの。

だって好きじゃない子の誘いになんて普通はのらないよね?

隼太は毎回「どこ行く?」って聞いてくれるし、私の提案を断ったことなんてないの。
だから私は浮かれていた。
隼太も私を好きなんだって信じ込んでいたから。

だからたまたま、

「ごめん今日は病院の飲み会があって無理だ。ごめんな」

って断られた時に、どうしてって思いが強くなって

「他の女もいるところに行くんだ?」

って言っちゃったんだ。言わなきゃ良かったのに。
私は彼女でも何でもない、むしろ元カノっていう本当なら厄介な存在であることを忘れていたの。
今まで順調にいってたことに驕ってた。
「は?」っていう隼太の不機嫌そうな声を耳にして、しまったと思ったけど、言ってしまった言葉は取り消せないから、

「いいよ。好きにすれば」

と一方的に電話を切ってしまった。

隼太にとって特別でも何でもない自分が、あんなこと言うなんて……。

どうかしてた。
焦ってたのかもしれない。
成績も思うように上がらなくて悔しくて、勉強に集中できない原因である彼を自分のものにすればこのモヤモヤも晴れるんじゃないかって思ってた。

だけど進展しない関係にじれったさを感じて、でもそれを我慢するだけの心の余裕もなかったから、彼にさらけ出してしまった。
自分の醜さも、傲慢さも。

電話を切ってから激しく後悔したけどもう遅い。
今度こそダメのなるかもしれない。
これで関係がこじれたら、もう一生会えないかもしれない。
そう思ったら居ても立ってもいられなくて、私は家を飛び出していた。
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