社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
お嬢様は、頬を赤らめながら、俯き加減で上目遣いに修努を見ている。

かわいらしい人。

修努が、口を開いた。

「ありがたいお話だとは思います。
私にはもったいないお嬢様です。
しかし…」

「社長!」

私は、後ろから修努の言葉を遮った。

「社長、今、結論を出さなくてもいいのでは
ありませんか?」

すると、満井社長は、

「そうだな。
若いと結論を焦りがちだが、ゆっくり考えて
最善と思われる結論を選ぶといい。
君はいい秘書を持ったな。」

と言った。

修努は諦めて、

「持ち帰って、検討させていただきます。」

と答えた。そして、満井社長は言った。

「一度、デートでもしてみるといい。
この後、安井くん、時間はあるんだろ?
浩子を預けるから、よろしく頼むよ。」
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