社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】

私は、バッグに買い物袋を詰めて、階段を下りた。

「修ちゃん、今から、スーパーに行ってくるね。」

私は玄関から、声を掛けた。

「ん？ のどか？」

修ちゃんが玄関に出てきた。

「今から、行くの？
もう、暗いよ？」

「うん。でも、冷蔵庫の中、空っぽだし、まだ
そんなに遅くないから、大丈夫だよ。」

私が言うと、

「じゃあ、一緒に行くよ。
車出すから、待ってて。」

と戻っていってしまった。

「ええ！？
いいよ、わざわざ。
修ちゃん、お仕事中でしょ？
ひとりで行けるから。」

私が声を掛けると、

「気分転換だよ。
これくらい、甘えなさい。」

と戻ってきた修ちゃんに、頭をポンポンと撫でられた。