社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
修ちゃんが、ガレージのシャッターを開けると、そこには、私でも知ってるアイスブルーのドイツ車。

前方にはシルバーに輝くエンブレム。
私には、33.3%が3つの円グラフに見えるんだけど。
グラフ資料を作りすぎた職業病かな?


「どうぞ。」

と言われて、私は助手席に乗り込んだ。

「左ハンドルじゃないんだ?」

私が言うと、

「日本で左ハンドルは、いろいろめんどくさい
じゃん。」

と言われた。


10分後、私たちは、スーパーにいた。

修ちゃんがカートを押して、その横で私が食材を見てる。

「修ちゃん、晩ご飯は?」

「考えてない。
ま、ひとりだし、カップ麺でも食べるかな。」

「だったら、一緒に食べる?
1人分も2人分も大して変わらないから。」

「いいのか?」

「いいよ。
それくらい、甘えなさい。」
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