社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
「のどか、好きじゃない相手はちゃんと断る
って言ったよね?」

「うん。こんな事、私も初めてで。
どうすればいいのか、分からなくて。
黙って、付き合っちゃえばいいのか、とも
思ったけど、やっぱり修ちゃんに嘘つきたく
ないし。
ほんとにごめんなさい。」

「のどかが謝る事じゃないよ。
俺が勝手に勘違いして、大事なのどかに手を
出したんだから。
でも、のどか、俺とするの、嫌じゃなかった
んだよね?」

私は少し考えて、こくんと頷いた。

「俺ものどかが誰とでもそういう事をする女だ
とは思ってない。
って事は、のどかはきっと俺の事が好き
なんだよ。
のどかが気付いてないだけで。」

え? そんな事…

だって、修ちゃんと再会して、まだ数日だよ?

私は何も言えなかった。

「のどか、こっちにおいで。」

修ちゃんが呼ぶから、私は立ち上がって修ちゃんの前に立った。
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