社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
修ちゃんは、私の手を握った。

「これ、嫌?」

私は首を横に振った。

立ち上がった修ちゃんは、優しく私を抱き寄せた。

「これは?」

修ちゃんの温もりが心地いい。

「嫌じゃない。」

ふっと修ちゃんが笑った気がした。

修ちゃんは、私のうなじに手を添えて、優しく口づけた。

やっぱり、修ちゃんのキスは気持ちいい。

私は、自分でも気付かないうちに、修ちゃんの背中に腕を回していた。

唇を離した修ちゃんは、

「これでも、俺の事、好きじゃない?」

と聞いた。

どうなの?

『好き』を自覚する前に触れ合ってるから、触れ合ってるから好きなのか、好きだから触れ合ってるのか、自分でもよく分からない。
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