社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
「ごめん、修ちゃん。
自分でも、分からないの。
修ちゃんは好きなんだけど、お兄ちゃんを慕う
好きなのか、男性として好きなのか、
分からなくて。」

「お兄ちゃんなわけないじゃん。
のどか、弟と抱き合えるか?
キスできるか?」

ぜぇーったい! ムリ!!

私はブンブンと首を横に振った。

「じゃあ、付き合おう?
俺、ちゃんと、のどかの気持ちが追いついて
くるの、待つから。
のどかが、俺の事、好きって自覚するまで、
キス以上の事はしないから。」

真剣に言う修ちゃんが、なんだかかわいくて、私はまた意地悪をしたくなった。

「キスはするんだ?」

その一言で、修ちゃんは固まった。

「……… キスもダメ?」

かわいい〜!!

なんだろう?

ずっとお兄ちゃん的存在で、ずっと大人だと思ってた修ちゃんがかわいく見える。

どうしよう?

今、無性に修ちゃんに…


キスしたい。


私は、クスッと笑みをこぼしすと、背伸びをして修ちゃんに触れるだけの軽いキスをした。
< 95 / 257 >

この作品をシェア

pagetop