メガネ君は放課後ヤンキー?!


「先輩、もしかして彼氏できました?」

「え?なんで」

昼休み、非常階段でお弁当を食べていると佐倉咲が私に何の脈絡もなく、そんなことを言いはじめた。


「だってなんか雰囲気が違いますもん!
で、どうなんですか?」


本当にこの子、

どこを見てそんなことを言っているんだろう。



「彼氏なんていないよ~、毎日塾だし、そんな暇ないから」


「ふうーん」
「なによそれ」


何て言いながら佐倉咲を冗談っぽく睨みつける。

なんか、デジャヴだ。


先生との会話を思い出した。


なんとなくだけど先生の気持ちが分かった気がする。


「大人をからかうと痛い目にあうぞ」

って昨日言っていた先生。


「ほら!その顔ですよ、誰なんですか?
もしかして本当に田中先輩と…?」


また、この子はすぐに田中君の話をしたがる。


「田中君とは本当に付き合ってないんだってば」


「そうなんですか~こんなに噂になってたら、もう隠さなくてもいいのに」


何度も言ってるのに、
いくら言っても納得しないのはなんでなの。

「もしかして、からかってる?」
「あ!わかりますぅ~?」

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