片桐千歳の日記帳
2.あたしが捕まった理由
あぁ、面倒くさい。

指定された場所に行って、指定された用紙にあれこれ書かされて、お金まで払って。

ようやく席につく。

さぁこれから長いぞ違反者講習!!




そう。今回のテーマは違反者講習です。

スマホいじってたら捕まりまして。言い訳虚しく減点あんど罰金6.000円。

まぁ捕まっていいことはないし、事故の原因になるし後悔先に立たず?とか言うし、ルールは守った方が良いかと思います。

というあたしは違反者講習でして、この2時間が長い! 各都道府県によっては違いがあるかもですが、まぁあたしが住む札幌市ではこんな感じです。

席について、教科書みたいのをパラパラとめくるんですよ。暇だから。まだ始まる前だし。

そんなとき廊下から

プシュー

プシュー

とか聞こえるんですよ。

で、それが教室の中に入ってくる。




間違いない。





高校の同級生(女性)である。





身長160cm、体重140kgを誇る彼女は、履歴書の特技に







体当たり






と、書いたツワモノである。

人の彼氏は私の彼氏というジャイアンさえ言わなさそうなセリフを吐き、実際別れないと押しつぶすという脅迫めいたセリフで、つけられたあだ名はクラッシャーであった。

ちなみに名前はヒトミと、完全に名前負けをしている




友達というか知り合いとも思われたくなかったので、とっさに顔を伏せる。

本来ならば卒業して5年。久しぶり。元気してた?という会話になるはずなのだが、あるわけがなかった。

あたしの真後ろに座るヒトミ。

ガサゴソいったと思ったら

ゴクゴク、、、、!!

、、、、、ゲフッ!!

コーラペット1.5リットルのラッパ飲み。

てか、きたない。全てにおいて。

でもあたしは振り返らない。

みんなが振り返ってても、あたしは振り返らない!

だって、知り合いだと思われたくないから!

教官が来て講習が始まる。

そして何故か後ろからウホッとか聞こえる。

バナナでも食ってるのか?

でもあたしは振り返らない!

バレたくないから!




違う意味での地獄が終わり、免許証が配られる。

これであたしは自由だ。

自由があたしを待っている。

『片桐千歳さーん』

あ、はーい。

『あらアンタ千歳だったの。随分久しぶりね?元気だったのかしら?』

振り返らない!

振り返ってはいけない!

てか、

逃げろ!



マリオやルイージもびっくりなダッシュであたしは逃げた!

でも、なんか後ろから

プシュープシュー聞こえる!




あたしは車に乗り込み、アクセル全開で逃げる!




だが捕まってしまった。






スピード違反で。






みなさんは、交通ルールを守ってくださいね。






あたしが逮捕された理由 おしまい




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