決して結ばれることのない、赤い糸
「止みそうにないから、今日はここで解散だね」
「おう」
「わたしは、本屋さんに寄って帰るよ。じゃあ、また明日っ」
駅に向かう優奈とカズに、わたしは手を振った。
好きな作家さんの最新の文庫本を買いに、わたしは本屋さんへ。
無事に購入し、雨に濡れないようにすぐにバッグにしまった。
傘をさして、わたしも駅に向かおうとしたとき――。
降りしきる雨の中、骨の折れたボロボロの傘をさして歩いている男の子を見つけた。
傘がうまく開いていなくてびしょ濡れだ。
黒いランドセルを背負っている小学生。
わたしは思わず駆け寄った。
そして、その男の子の上に自分の傘を広げた。
「風邪引くよ?」
わたしの言葉に、キョトンとして見上げる男の子。
「あ…ありがとう。でもオレ、傘さしてるよ?」
「おう」
「わたしは、本屋さんに寄って帰るよ。じゃあ、また明日っ」
駅に向かう優奈とカズに、わたしは手を振った。
好きな作家さんの最新の文庫本を買いに、わたしは本屋さんへ。
無事に購入し、雨に濡れないようにすぐにバッグにしまった。
傘をさして、わたしも駅に向かおうとしたとき――。
降りしきる雨の中、骨の折れたボロボロの傘をさして歩いている男の子を見つけた。
傘がうまく開いていなくてびしょ濡れだ。
黒いランドセルを背負っている小学生。
わたしは思わず駆け寄った。
そして、その男の子の上に自分の傘を広げた。
「風邪引くよ?」
わたしの言葉に、キョトンとして見上げる男の子。
「あ…ありがとう。でもオレ、傘さしてるよ?」