決して結ばれることのない、赤い糸
「…それに。サッカーの大会の応援にもきてたよね…?」

「うん、行ったよ。リョウタが観に行きたいって言うから」


…知らされる事実。

わたしは、今までとんでもない勘違いをしていたようだ。


サッカーの大会後、バスを待っているときに隼人とクミちゃんといっしょになった。

てっきり2人でバスに乗って帰ると思っていたけど、あのあとあの場にリョウタくんも合流したのだという。


「じゃあ、…あのサインは!?」

「サイン?」

「隼人がゴールを決めたときに見せる、あの…ピストルみたいな形のサイン。あれは、クミちゃんに向けられていたよね…?」

「あ〜、あれね。私の隣にいたリョウタにだよ。『どうだ、見てたか!?』って意味だよね?」


隼人が記憶を失くしたからか、わたしが知っている意味とは少し違う。
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