決して結ばれることのない、赤い糸
でもそれは、クミちゃんに向けられていたものではなく、隼人に憧れるリョウタくんへのアピールだった。


てっきりわたしは、『ずっと俺を見ていて』というクミちゃんへのメッセージなのだとばかり思っていた。


だけど思い返してみると、2人でいっしょにいるところは見かけても、手を繋いでいたり、腕を組んだりしているところは見たことがない。


「…なんだ。そうだったんだ…」


わたしは脱力してソファにもたれかかった。

そんなわたしを見て、クミちゃんが微笑む。


「かりんちゃんって、隼人のことが好きなんだね」

「…えっ!ど…どうして?」

「そんなの、今のかりんちゃんを見てたらわかるよ」


クミちゃんにはすでにバレバレで、わたしは顔を赤くしてうつむいた。

「勘違いさせてごめんね」と、わたしに謝るクミちゃん。
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