決して結ばれることのない、赤い糸
優しくて人懐っこい性格の隼人は、すぐにクラスの中心的な人物となった。

そこは、壱葉中学にいたときとなに一つ変わりなくて安心した。


…だからこそ、クミちゃんは驚いたんだそう。

隼人から、事故がきっかけで過去の友達の記憶がないと聞かされたときは。


どのような友達とどのようにして今まで過ごしてきたのかも思い出せず、いつの間にか転校することになっていたと。

だから、隼人にとってはクミちゃんが転校してきて初めての友達だった。


脚が治ってからは、サッカー部の練習にも参加できるようになった隼人。

ケガをしたというハンデがあっても、恵まれたその抜群の運動神経で、次々と試合でレギュラー入りを果たした。


それらが認められ、天川高校の推薦枠を獲得。

新しい隼人の家からは遠いため、寮生活することを決めて天川高校に入学。
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