決して結ばれることのない、赤い糸
「わたしも…!ずっと想ってた!隼人が記憶を失くしてからも、ずっとずっと…!」


この2年…、本当に長かった。

隼人と再会できたとはいえ、わたしのことを忘れてしまった隼人はどこか別人に見えて。


わたしの記憶がなくたっていい。

隼人と再び結ばれようなんて思っていなかった。


それが、まさか…隼人が記憶を思い出す日がこうしてくるなんて――。


「もう忘れない。もう離さない。…だから。もう一度、俺のそばにいてほしい」


隼人の言葉に、涙がぽろぽろと流れる。


「かりんのことが好きだ」


中学1年生のときと同じ告白を、再び。


わたしは目元を押さえながらうなずくと、隼人の背中へ手を回した。


「隼人、わたしも好きだよ…!」


まるで、空白の2年間を埋めるかのように、わたしたちは強く抱きしめ合った。
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