決して結ばれることのない、赤い糸
そして、テーブルの上に並べて夕飯の時間。


「ねぇ、お母さん!来週の日曜日、隼人とデートするだけど、着ていく服を迷ってて…。あとでいっしょに見てくれない?」


お母さんには、よく服のことで相談をしたりする。

だから、今回もいいアドバイスを期待していた。


しかし、静かにお箸を置いたお母さんは、衝撃的なひと言を発する。


「…かりん。隼人くんとは別れなさい」


鋭い視線がわたしに刺さる。

想像もしていなかった言葉に…呆然とする。


「……え?今…なんて?」


お箸でつまみ上げていた唐揚げが、ぽとりの取皿の上に落ちる。


「聞こえなかった?隼人くんとは別れなさいと言っているの」

「…待って待って。急に…なに?なんの冗談?」

「冗談なんかじゃないわ。かりんのためを思って言ってるの」
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