決して結ばれることのない、赤い糸

「…本当に別れたの？お母さんが…別れるように言ったから？」

「それもあるけど、『別れたい』って言われたの。隼人が」

「隼人くんが…？」

「うん。なんか好きな人ができたんだって。だから、もうわたしのことはどうでもよくなっちゃったんじゃないかな？人が変わったみたいに冷たくなってさ――っ」


と言いかけて、言葉に詰まった。

胸の奥から、なにかが込み上げくるような…。


「反抗してごめんね。でも、これでお母さんの心配事はなくなったでしょ？」

「かりん…」

「だけど、お母さんに言われた時点で別れておくべきだったね。まさか、隼人があんなヤツだとは思わなかったよ」

「…ねぇ、かりん」

「再会したときは運命かもなんて思ったけど、ドラマじゃないんだから、そんなうまくは――」

「かりんっ！」