決して結ばれることのない、赤い糸

わたしの話を遮るようにお母さんが大きな声を出すから、思わず肩がビクッとなった。


「…無理して笑わなくていいから」

「なっ…なに言ってるの？べつにわたしは大丈――」

「大丈夫なわけないでしょ」


その瞬間、目の奥がじわりと熱くなって、大粒の涙がぽろりと流れた。


「…あれ。わたし…、なんで泣いてるんだろう…？」


隼人に別れを告げられたときも、別れたい理由を聞かされても…涙なんて出てこなかったのに。

だけど今は、涙が止まらない。


「わたし……、わたしっ…」


涙とともに、感情もあふれ出す。


「本当は別れたくない…！今でも隼人のことが好きなのに……」


冷たくされたからって、他に好きな人ができたからって、それでもわたしは隼人のことを嫌いになんてなれなかった。