決して結ばれることのない、赤い糸
勘違いだったけど、クミちゃんが隣にいるところを見ただけで、わたしはつらかった。


だから、もし隼人に新しい彼女ができたら――。

わたしはそっちのことが気になって、修学旅行を思いきり楽しめる自信がなかった。



その日は、わたしは日直だった。

終礼後にノートの提出があって、全員分が揃ったら日直が職員室まで持ってくるようにと、先生から言われていた。


優奈が「手伝おうか?」と声をかけてくれたけど、今日は部活が休みで時間があるから、あとで1人で持っていくことにした。


クラスの人数分のノートを抱え、職員室へ。


ところが、途中で一番上に積んでいたノートが滑り、それに続くように順にパラパラとノートが落ちていく。

結局、10冊ほどが落ちてしまった。


わたしは、小さなため息をついてしゃがみ込む。
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