決して結ばれることのない、赤い糸
これから、殴り合いのケンカが始まってしまうのではないだろうか。


そんな雰囲気がして、わたしは抱えていたノートをその場に捨てると、慌てて2人のもとへ駆け寄った。


「いったん落ち着こ…!ねっ?」

「かりんは、ムカつかねぇの…!?自分から振ったくせに、オレの気持ち知った途端…これだよ。隼人…お前、何様のつもりだよ」

「お前がかりんに本気なら、俺は喜んで引き下がるよ…!でも、弱ってるかりんに近づこうなんて考えなら――」

「本気に決まってんだろ!!それに、『引き下がる』ってなんだよ!?…彼氏ヅラすんな!」


相手の胸ぐらをつかみ合い、2人は完全に頭に血が上っていた。

止めようとするわたしの声なんて届いていない。


「かりんが、お前とは今までどおりに接してほしいって言うからそうしてたけど、本当はすっげームカついてた!」
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