決して結ばれることのない、赤い糸
だけど、なぜか優奈はニヤニヤしながらこちらを見ていた。



そのあと、4人で海で遊んだ。

膨らませた2つの浮き輪は、わたしと優奈に貸してくれた。


隼人とカズは、小学生の頃はサッカー以外にスイミングも習っていたみたいで、どちらも泳ぎがすごくうまかった。

足の着かない深いところにまで、立ち泳ぎでわたしたちを引っ張ってくれた。


学校の仕切られた長方形のプールじゃなくて、ずっとずっと先まで続く海。

顔にかかるしょっぱい水しぶき。


それが、わたしにとってはとても新鮮だった。


海で泳いでは、浜辺でビーチバレーをして――。

お昼にお腹が空いたら、鷹さんの海の家に戻って、やきそばや炒飯、唐揚げなどをご馳走してもらった。


そしてわたしたちは、遊び疲れるくらいまで海水浴を楽しんだ。
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