決して結ばれることのない、赤い糸
どうやら、それ以上先は出てこないらしい。


「…ちょっと待って。それってもはや、他人レベルじゃん!」


『遠い親戚』とは言っていたけど、思っていた以上に隼人と鷹さんの親戚同士の繋がりは遠かった。


「そうなんだよ。だけど、夏場の忙しいシーズン以外は、俺の顔見にちょくちょく俺ん家に遊びにきてくれるんだよ」

「へ〜、そうなんだ!隼人のこと、気にかけてくれてるんだね」

「どうだろ?ただ、茶化しにくるだけだけどっ」


とは言ってみても、そう話す隼人の顔はとてもうれしそうで。

血はほぼ繋がっていないと思われる遠い関係だったとしても、隼人も鷹さんのことが好きなんだなと思った。


…ふとここで、わたしはあることに気づいた。


「そういえば、鷹さんのお店の名前…」

「ああ。Falcon?」
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