決して結ばれることのない、赤い糸
「でしょでしょー!?」

「まぁ、俺は物心ついたときから鷹さんのことは知ってるし。今さらどうって言われてもな〜」

「オレも。隼人といっしょ」


苦笑する隼人と、興味なさそうな反応のカズ。

だけど優奈は、そんなことはおかまいなしに話を続ける。


「鷹さんがもう少し若かったらよかったんだけど〜」


悔しそうな表情を浮かべる優奈。


「…ということは。もし、あたしが鷹さんと結婚したら、隼人は親戚になるってこと?」


隼人と鷹さんは親戚同士。

ないとは思うけど、万が一そんなことがあれば、そういうことになる。


「まぁな。でも俺と鷹さんの繋がりって、けっこう遠いよ?」

「そうなの?」

「うん。確か…、母さんのいとこの旦那さんの妹の…。…え〜っと……」


そこまでつぶやいて、隼人は口をつぐんだ。
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