別のお話。

ーーー

広い道路に点々と灯る光の中を自転車で走る。

たまにすれ違う車のライトが俺たちを照らしては通り過ぎ、その後はまた薄暗い道を小さな灯りに沿って家へと向かって走る。

「シヅキ?」

角を曲がって人通りが少なくなったのを確認してから名前を呼んでみた。

だって、いつもは静かにって言ってもお喋りなシヅキがさっきから全く口を開いていない。

帰りの電車でも凪に会った時も一言も喋っていなかった。

「気分でも悪い?」

幽霊に聞くことじゃないのかもしれないけどついそんなことを聞いてしまう。
< 166 / 407 >

この作品をシェア

pagetop