別のお話。
「うん。『自分はいい人です』って顔に書いてある」
「道が分からないなら駅まで送ろうか?」
なんだか面倒くさくなってきて話題を変えた。
とりあえずいい人と思われてるならそれでいいし。
「うーん……」
また空を見上げながら、シヅキはさっきよりも少し長く考え込む。
それから先ほど見上げた夜空によく似た深い黒の瞳で俺を捉えた。
「手、だして?」
まだあまり言葉なんか交わしてないけど、先輩ふうに言えば慣れた。