爽やかくんの為せるワザ
理解してくると、段々と私の体も熱くなってくる。
いつもの爽やかな藍くんからは想像も出来ないような意外な発言。
でもなんか……めちゃくちゃドキドキする。
まるで……私とも〝そういうこと〟をしたいって言ってくれてるような……。
「……」
「……」
2人の間に、少しだけ沈黙が流れる。
ベンチに肩を並べて座って、2人揃って片手にクレープを持っていて。
……お互い、全然食べられてないクレープ。
でも、なぜか居心地が良いというか。
沈黙が苦しくないっていうか。
……ドキドキしてるのが、心地良いような。
「ごめん、引いた?」
「えっ……全然!?全然引いてないっ」
「そっか……なら良かった」
顔を赤らめたまま、照れたように笑う藍くん。
なんだかその姿が、すごく可愛く思えた。
藍くんも……引かれてないか気にするんだ。
か、可愛い……。
「……クレープ食べよっか」
「う、うん……」
そして2人して黙々とクレープを食べ始める。
これ……藍くんもドキドキしてるのかな。
まだ顔赤いし。
私もまだ顔熱いんだけど。
……ドキドキしてるのは自分だけじゃないんだって思うと、余計嬉しくなる。
すごくにやけそうだ。
「……俺、今すごくにやけそう」
「えっ……うそ、私も……!」
「あはは、そうなの?……なんか、珠姫ちゃんが引いてないって知って、安心しちゃって」
「……」
私達、ほんとに似た者同士なのかも。
なんだろう……どんどん藍くんのこと好きになっていく気がする。
藍くんのこんな一面見れて……すごく嬉しい。