爽やかくんの為せるワザ



「やるじゃねーか敬吾。見直したぞ」



ばしっと敬吾くんの背中を叩いて笑い掛ける沙羅ちゃん。

敬吾くんは「まじか!?」なんて言って嬉しそうに頭を掻いている。


……花恋ちゃんもきっと見てるよね?

今のは絶対かっこいいって思ってくれたはず!




「沙羅と敬吾良いコンビになってるね」


「あ、桃ちゃん」


「たまも佐賀くんもよく逃げてるね。すごいよ」


「……え」



桃ちゃんは近くにいた佐賀くんの肩を叩く。


確かに、佐賀くんも残ってるのすごいな。

意外と運動神経良かったり?




「あ……ほとんど田端くんが守ってくれてて……」




だから僕はすごくないんだ、とふるふる首を振る佐賀くん。


……そういえば、敬吾くん佐賀くんとかクラスの人を守るようにボール取ってた。

敬吾くんも沙羅ちゃんもイケメンだなぁ。



「あはは、確かに敬吾もやるよね。まー最後まで皆で残ろうよ」


「うんっ」



ぽんと私と佐賀くんの肩を叩いて前線に出て行った桃ちゃん。


……桃ちゃんもかっこいいな。

このクラスにはかっこいい人が多いよ。




「敬吾いいぞー!」



コート外から聞こえた声に、ふと振り返る。

やっぱり、そこにはカツくんと藍くんがいた。


藍くんとばっちり目が合うと、彼はガッツポーズを作って微笑んでくれた。



……ああ、すごくキラキラして見える。

藍くんが見てるって思うとちょっと緊張するけど、


応援されると……自然と元気が湧いてくる。


好きのパワーって凄まじい。


勝手ににやけちゃうよ……。


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