爽やかくんの為せるワザ
確かに、店内で楽しそうにアクセサリーを眺めている2人の距離はなかなか近いもので。
一同はざわざわと2人の様子を遠目から見守っていた。
「こういう流れは、兄貴だとありきたり過ぎな気がするんだよなぁ」
「ありきたりって……カツは何目線で話してる?」
「兄弟じゃないなら何?親父?」
「バカか敬吾!いくらなんでも若過ぎるだろ!」
「分かんねーよー。カツはなんだと思うんだよ」
「……〝幼馴染〟……もしくは〝いとこ〟」
パチンと指を鳴らして大袈裟に発表してみせるカツに、一同は「おお…」と少しだけ納得した様子。
「だろ?ありそうじゃね?」とそんな一同の反応に満足したのか、半ば興奮気味に話を続ける。
「明日学校でたまちゃんがあそこのアクセサリー付けてたら、説立証だな」
「……単純過ぎない?そうと決まったわけじゃないよ」
藍が盛り上がるカツを抑えるように声を掛けてみるが、もうカツの妄想は止まらなかった。
「敬吾、明日確認よろしく!」
「サー・イエッサー!」
びしっと敬礼をかます敬吾とノリノリなカツに、藍は小さく溜息を漏らした。