爽やかくんの為せるワザ





   *   *   *



「珠姫それ買ったのか?」


「え?あ、これ?」




私の手元を見つめながら沙羅ちゃんは首を傾げた。


沙羅ちゃんが指差したのは、手首に付けられたピンクゴールドのシンプルなブレスレット。



結局昨日、お兄ちゃんは「やっぱり珠姫にも買う」と言い出し私の断りを聞かず買ってしまったのだ。

そしてどうしてもこれを付けて学校に行って欲しいと言われた挙句、私はお兄ちゃんが買ってくれたブレスレットを付けて登校してきたというわけ。


この学校は校則が緩く、アクセサリー等を付けてきても怒られたりしないのが幸いかな。


まあデザインは気に入ってるし、嬉しいんだけどね。





「昨日お兄ちゃんが買ってくれたの」


「相変わらず珠姫LOVEな兄貴だなぁ」


「あはは……優しいんだよ、お兄ちゃんは」


「うざったく思わない珠姫も相当兄貴好きだな」




沙羅ちゃんは私のブレスレットを眺めながら、感心したように頷いていて。


そんな沙羅ちゃんの言葉に、私は「確かに」と納得してしまった。


うざいとは思ったことないし、そうなると私もかなりのブラコンなのかもしれない。



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