待ち合わせは5分以内に

なまはげという例えがあまりにもぴったりだったから、つい吹き出してしまったけど、

「なんなの!?ふざけないで!!」

やってしまった。唯華の指摘が図星だったのか、なまはげと言われたせいなのか、はたまたその両方なのか、彼女は顔を真っ赤にして眉間のシワは更に深くなっている。

それから…と、付け加える様に唯華が口を開く。また、恐ろしい事を口にしないかとヒヤヒヤしていると、

「言っておくけど、私なんかより紫乃の方がよっぽどいい女だから。あんた達みたいなのがかなう相手じゃないわよ。次、私の親友を悪く言ったらただじゃおかないから。行こう、紫乃」

その場で呆然と立ち尽くす2人を置き去りにして立ち去る唯華を慌てて追いかける。思わず口元が緩む。もちろん、唯華の方が私なんかよりもいい女だし、お世辞だということは分かってる。けど、唯華が私の事を親友だと言ってくれた事が嬉しかった。