全てを失っても手に入れたい女が居る

俺が体調を崩した時、他人の俺の為に自分のせいだと涙してくれたと知ったときは、驚きと同時に、嬉しくて梨華を抱き締めたいと思った。

二度と女性と関係持たないと誓っていた俺だが、他人のために、涙し、惜しみ無く働く梨華の姿に恋をし、梨華だけは手放したくないと思うのに時間はかからなかった。

そしてクリスマスの日にプロポーズをした。

大人になってからの俺は、クリスマスなど、仕事の一貫のひとつとしてしか考えてなかった俺が、クリスマスを梨華と二人で過ごしたいと、思うようになっていたんだ。

そこまで俺を変えた梨華をアメリカへ連れて帰りたかった。

仕事を辞めたくないと言う梨華を本社で働けるように手配し、ボブにも梨華の移籍の許可も貰っていた。今までのように仕事も、そして私生活でも、大切なパートナーとしてアメリカで暮らす筈だった。





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