ただ好きだから
訳がわからない。社長と結婚だなんて
「だって、どう考えても可笑しいです。何で私がいきなり社長と結婚するって話になるんですか」
こんな一般市民で平社員で平々凡々な私が…
誰もが知っている大企業の若社長とだなんて!
「まぁ、あえて言うならばお前が俺のスーツを汚したから。かな」
「はい?」
スーツを汚した…から?
まぁ確かに社長の高級そうなスーツは汚してしまった。しかもクリーニング代すら払ってなかった…それは完全に否定できない……
だけど、それとこれに何の関係が…
「スーツ代は私が払うので、新しい物を買ったら教えて下さい」
「新しい物か、それは無理だな」
「無理?」
「あのスーツ、仕事でイタリアに行った時 取引先の専務からオーダーメイドでプレゼントされたものだからな」
「お、オーダーメイド…」
しかもイタリア産のオーダーメイド……
ちょっ…それって一体いくらするわけ!?
まるでそんな私の心を読んだみたいに社長はニヤリと口角を上げると
「まぁ、お前の給料何ヶ月分が飛ぶか分からないな」