ファンタジー探偵と学園祭
魔女が言う。

「この手紙が送られてきたのはいつですか?この脅迫以外に何か事件はありましたか?」

そうアイリーンが訊ねると、ペローの顔色が一気に悪くなった。

「一週間前です。この手紙が届いた日、私の家から……ボーガンが盗まれたんです。ボーガンがあった場所に、この手紙が置かれていました」

「ボーガンのことを警察には……」

「言っていません。生徒に危険が及ぶと思ったので……」

ペローの顔色がさらに悪くなった。イソップがペローの背中をさすりながら言った。

「アイリーンさん、お願いします!この手紙を送ってきた犯人を捕まえてください!!」

「お願いします!!」

ペローと魔女が頭を下げる。アイリーンはすぐに答えた。

「……O学園に転校生として潜入し調査してもいいと言うのなら協力します」

「もちろんです!」

三人の顔に安心が浮かぶ。

アイリーンは少し微笑んだ。



「……ここがO学園……」

服などの荷物がたくさん入ったスーツケースを引きながら、アイリーンは呟く。

目の前には学校とは思えないほどおしゃれで大きな建物がある。潜入調査とはいえこんなおしゃれな学校に通えることを、アイリーンは少し嬉しく思った。

O学園は全寮制の学校だ。なので、アイリーンもたくさんの荷物を持っている。

校門の前にペローと魔女が立っていた。
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