青い鳥
「康介《こうすけ》……?」

そして次の瞬間、口からは自然と名前が溢れた。

あの時よりも身長が伸びているし、身体もがっちりしていてすぐには分からなかったが思い出した。


「覚えててくれて嬉しい」

彼は私が覚えていたことに安心したのか、フニャと顔を緩めた。


忘れられるわけがない。

だって康介は、同級生で私が最後に好きになった男の子だから。


「トレードマークの長い髪がバッサリ短くなってるから一瞬分からなかったわ」


ドクン。

その一言に心臓が重く鈍い反応。


「邪魔だったから切ったの」

私は内心穏やかではなかったが笑顔を貼り付ける。
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