青い鳥
「うそ……マジで初めてなの?」

初めてよ。
だから呆気に取られる前に、

「返せ!」

大声で叫んだ。

「返せって無理だよ。その言い方、反則」

私が怒りに震えているというのに、笑顔で肩を揺らす男。

笑い事じゃないから。

「私の半径一メートル以内には入らないで!」

私は後退りしながら再び叫ぶ。

すると目の前からは「プッ」と笑いが聞こえる。


「益々俺の心を擽るね」

また楽しそうな声に頭の中の何かが切れた。


「さっき気付いたんでしょ!?私は男が苦手なの!だからもう止めて!私は貴方と関わる気は微塵も無いから!」

苛々が押さえきれなくなった私は大声で吠えた。
< 41 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop