青い鳥
身体の震えが怒りから恐怖からくるものに変わり、しかも呼吸までおかしくなってきた。

遠くからアイツの声が聞こえてきた。

深く息を吸えない。


「律!」

腕を掴まれて、トリップしていた意識が現実に戻り、我に返った。


「ごめん」

離してと言う前に手が離れてくれた。


「もう訊かない」

複雑そうな顔をして、続けて出てきた言葉。
私は目を見開いた。


今まであれだけ強引だったのに。
でも、引いてくれるならもう良いわ。


「……私、急いでるから」

私は男に背を向けて歩き出す。
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