青い鳥
「今日、なんか嫌なことでもあった?」
夕方のバイト先のロッカー前で、康介が開口一番に言った。
「特に無いよ?」
私はいつも通り、笑顔を張り付けて返した。
顔に出ていたのだろうか。
他人にバレたくない。
気を引き締めよう。
それから四時間バイトをした。
バイト先から出る時、ビクビクしてしまった。
あの男がもしかしたら居るかもしれないって。
でも扉の向こうには男は居なかった。
私はホッとして帰路を歩く。
あの男、もし家に居たら、今度は警察を呼ぶって言おう。
だってキスも勝手にされた。
既に犯罪者だ。