しあわせ食堂の異世界ご飯2
山の西側は、木が多く密集している場所だった。
木と木の間が狭く、確かに屈強な騎士には幅が狭そうだ。地面も木の枝や岩が多く、歩きにくい。
「確かに、キノコがたくさん生えてるわね」
木の根元にはキノコが生えていて、中でも椎茸が多く目に付く。もしかしたら、この周辺は椎茸の群生地なのかもしれない。
そうだったら、かなり嬉しい発見だ。
「椎茸は自然ではあまり見かけないって聞いたけれど、この山は相性がいいのかもしれないわね」
そういえば、しあわせ食堂の常連さんも椎茸が狙い目だと言っていた。もう少しこの辺を探していけば、大きいものが見つかるかもしれない。
「よし、気合を入れて探すぞー!」
なんて、大声を出したのがいけなかっただろうか。
パキッと枝の折れる音が聞こえ、もしかしてほかにも人が? そう思って振り向いたら――人ではなくて、鼻息を荒くした野生の猪がいた。
「……うそっ!!」
山の上ではなく西側へ行っただけだから、野生動物に出くわすなんてまったく考えてなかった。アリアは一歩後ろに下がるが、大きな木に背中がぶつかる。
(うわ、やばい!)
これ以上は木があって下がれないし、かといって猪から目を逸らすこともできない。きっと、視線を外せばアリアへ向けて一直線で突進してくるだろう。
今になって、シャルルから絶対出口へ向かって行くように言われたことを思い出す。心の中で謝るが、もう遅い。
『グルル……』
「ひぃっ」
猪が前足で地面をえぐるようにかくと、紅葉している落ち葉が舞う。
(――あ、駄目)
アリアが猪に背を向けて走り出すのと、猪が地面を蹴って駆けだすのはほとんど同じタイミングだった。
(誰か……助けてっ!!)
***
木と木の間が狭く、確かに屈強な騎士には幅が狭そうだ。地面も木の枝や岩が多く、歩きにくい。
「確かに、キノコがたくさん生えてるわね」
木の根元にはキノコが生えていて、中でも椎茸が多く目に付く。もしかしたら、この周辺は椎茸の群生地なのかもしれない。
そうだったら、かなり嬉しい発見だ。
「椎茸は自然ではあまり見かけないって聞いたけれど、この山は相性がいいのかもしれないわね」
そういえば、しあわせ食堂の常連さんも椎茸が狙い目だと言っていた。もう少しこの辺を探していけば、大きいものが見つかるかもしれない。
「よし、気合を入れて探すぞー!」
なんて、大声を出したのがいけなかっただろうか。
パキッと枝の折れる音が聞こえ、もしかしてほかにも人が? そう思って振り向いたら――人ではなくて、鼻息を荒くした野生の猪がいた。
「……うそっ!!」
山の上ではなく西側へ行っただけだから、野生動物に出くわすなんてまったく考えてなかった。アリアは一歩後ろに下がるが、大きな木に背中がぶつかる。
(うわ、やばい!)
これ以上は木があって下がれないし、かといって猪から目を逸らすこともできない。きっと、視線を外せばアリアへ向けて一直線で突進してくるだろう。
今になって、シャルルから絶対出口へ向かって行くように言われたことを思い出す。心の中で謝るが、もう遅い。
『グルル……』
「ひぃっ」
猪が前足で地面をえぐるようにかくと、紅葉している落ち葉が舞う。
(――あ、駄目)
アリアが猪に背を向けて走り出すのと、猪が地面を蹴って駆けだすのはほとんど同じタイミングだった。
(誰か……助けてっ!!)
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