しあわせ食堂の異世界ご飯2
広場の中央にいるのは、ジェーロの皇帝であるリベルトと優勝者であるアリアのふたり。護衛として、後方でローレンツが待機している。
キノコ大会の優勝者に贈られる、皇帝からのお言葉とトロフィーの授与が今から行われるのだ。
トロフィーを持ったリベルトは、勝者であるアリアの前まで行く。
「このような巨大な椎茸は初めて見た。この度の収穫祭は、そなたのおかげで大成功だろう。おめでとう、アリア」
「ありがとうございます」
アリアは頭を下げ、トロフィーを受け取った。
リベルトもアリアも、それ以上は言葉を発しない。
というか、庶民設定のアリアが皇帝といったい何を話すというのか。お礼を言うだけでいっぱいいっぱいなのだ。
表彰式は無事に終わり、ここからは参加者が収穫したキノコで行うキノコパーティーが開始される。
広場のステージから下りたアリアは、盛大な拍手で迎えられた。
しあわせ食堂のアリアだというのはほとんどの人が知っているため、「おめでとう」とたくさんの人にお祝いの言葉をかけられる。
リベルトもアリアの後に続いてステージを下りて、集まった人を見回す。誰もが思わず拍手を止め緊張すると、ふっと笑みを浮かべる。
そして一言だけ言葉をかけた。
「満足いくまで食べて、大地の実りに感謝を」
「は、はいっ!!」
住民たちは条件反射のように声を上げて、思わず笑う。
さあ、楽しいお祭りの始まりだ!
アリアはさっそく巨大椎茸の調理に取りかかった。
手伝ってくれるのは、シャルルとカミルだ。カミルはアリアのそばにやってくると、嬉しそうに笑う。
「優勝おめでとう、アリアにシャルル。まさかあんな巨大椎茸を狩ってきて優勝するとは思わなかったよ」
「ありがとう、カミル。私もこの椎茸にはびっくりしてるんだよね」
「ありがとうございます!」
あははと笑いながら、アリアも驚いていることを告げる。シャルルは見つけたのがアリアなので、お礼だけを言って椎茸を水で洗う。
アリアは綺麗になった椎茸に包丁を入れて、一口サイズに切り分けていく。
「カミル、椎茸を焼くから火と網を用意してもらっていい?」
「ああ! でも、何を作るんだ?」
「ステーキだよ」
「肉じゃないぞ……?」
料理名と食材が一致しておらず、カミルは道具を用意しつつも首を傾げる。
「うん。でも美味しいから、期待してていいよ! とは言っても、そんなこったことをするわけじゃないんだけどね」
用意してくれた網の上に、一口サイズにしたステーキを載せて塩を振ってそれぞれにバターをひとかけずつそえる。
それがじゅわっと溶けると、バターのいい香りが漂う。最後に醤油を一滴たらしたら、できあがり。
本日のメニュー、『巨大椎茸の王様ステーキ』の完成だ。
キノコ大会の優勝者に贈られる、皇帝からのお言葉とトロフィーの授与が今から行われるのだ。
トロフィーを持ったリベルトは、勝者であるアリアの前まで行く。
「このような巨大な椎茸は初めて見た。この度の収穫祭は、そなたのおかげで大成功だろう。おめでとう、アリア」
「ありがとうございます」
アリアは頭を下げ、トロフィーを受け取った。
リベルトもアリアも、それ以上は言葉を発しない。
というか、庶民設定のアリアが皇帝といったい何を話すというのか。お礼を言うだけでいっぱいいっぱいなのだ。
表彰式は無事に終わり、ここからは参加者が収穫したキノコで行うキノコパーティーが開始される。
広場のステージから下りたアリアは、盛大な拍手で迎えられた。
しあわせ食堂のアリアだというのはほとんどの人が知っているため、「おめでとう」とたくさんの人にお祝いの言葉をかけられる。
リベルトもアリアの後に続いてステージを下りて、集まった人を見回す。誰もが思わず拍手を止め緊張すると、ふっと笑みを浮かべる。
そして一言だけ言葉をかけた。
「満足いくまで食べて、大地の実りに感謝を」
「は、はいっ!!」
住民たちは条件反射のように声を上げて、思わず笑う。
さあ、楽しいお祭りの始まりだ!
アリアはさっそく巨大椎茸の調理に取りかかった。
手伝ってくれるのは、シャルルとカミルだ。カミルはアリアのそばにやってくると、嬉しそうに笑う。
「優勝おめでとう、アリアにシャルル。まさかあんな巨大椎茸を狩ってきて優勝するとは思わなかったよ」
「ありがとう、カミル。私もこの椎茸にはびっくりしてるんだよね」
「ありがとうございます!」
あははと笑いながら、アリアも驚いていることを告げる。シャルルは見つけたのがアリアなので、お礼だけを言って椎茸を水で洗う。
アリアは綺麗になった椎茸に包丁を入れて、一口サイズに切り分けていく。
「カミル、椎茸を焼くから火と網を用意してもらっていい?」
「ああ! でも、何を作るんだ?」
「ステーキだよ」
「肉じゃないぞ……?」
料理名と食材が一致しておらず、カミルは道具を用意しつつも首を傾げる。
「うん。でも美味しいから、期待してていいよ! とは言っても、そんなこったことをするわけじゃないんだけどね」
用意してくれた網の上に、一口サイズにしたステーキを載せて塩を振ってそれぞれにバターをひとかけずつそえる。
それがじゅわっと溶けると、バターのいい香りが漂う。最後に醤油を一滴たらしたら、できあがり。
本日のメニュー、『巨大椎茸の王様ステーキ』の完成だ。