しあわせ食堂の異世界ご飯2
ああでも、リントもリベルトもいつも不意打ちばかりだったなと思い返す。アリアは驚かされることばかりで、いつも心臓がドキドキしっぱなしなのだ。
「柚子鍋は、冬に食べる私のとっておきの料理なんです。昔、家族と一緒に食べるのが好きだったので……」
それは今ではなく、転生前のことだけれど……そこまで説明したりはしないしいいだろう。疲れたときや落ち込んだとき、よく父親が作ってくれたのだ。
だからアリアにとって柚子鍋は、家族で食べる、とっておきの料理なのだ。
「リベルト陛下なら、ローレンツ様と一緒に食べるのもいいと思いますよ」
「確かに、ローレンツと一緒にいる時間が一番長いからな。私が無茶な仕事をしているというけれど、本当はあいつが一番無謀なんだ」
「え?」
思ってもみなかったことを聞いて、アリアは思わず聞き返す。
「私より遅く寝て、私より早く起きることもざらだからな。昔は、いつ寝ているんだと不思議に思ったこともある」
「そうでしたか……」
どうやらふたりともが、仕事を抱え込みあまり休もうとしない体質のようだ。
これでは、最悪ふたりで共倒れてしまうのではないだろうか。
「でしたら、互いに互いを監視するしかありませんね。気遣い合えば、少しずつよくなっていきますよ」
「……そうだな。私もローレンツを気に掛けるようにしてみるよ」
「はい、そうしてあげてください。わたくしも、何かお手伝いできることがあれば協力させていただきますから」
一番協力できるのは食事の提供なのだが、いかんせんしあわせ食堂は列に並んでもらわないとお店に入らない。
それだとあまり休まることができないだろうと考えると、なかなか難しい問題だ。
「あとは……やっぱり、ふたりで一緒にお鍋をしてみるのがいいかもしれませんね」
大人数でわいわい食べるのもいいけれど、ふたりで食べるのも仲良くなれていいものだとアリアは思う。
リントは頷きながらも、やはり大人数でも食べてみたいなと告げる。
「お鍋は大勢で食べると楽しいですからね。……今は、私とリベルト陛下のふたりだけですけど」
「……すぐに迎えにいくから、問題はない」
「え?」
「…………」
なんだか的を得ていないような返事に、アリアは疑問の声をあげる。どういう意味なのかリベルトに問おうとしたが、彼の頬が少し赤いことに気づく。
リベルトはそれを隠すようにおにぎりを食べて、柚子鍋のお代わりをする。
アリアは無言で食べるリベルトを見ながら、なんだったのかと考える。お鍋が大勢や家族で食べると楽しくて、今はアリアとリベルトのふたりだけ。
でもそれは、問題ない。
(ふたりから人が増えるっていうこと?―)
「リベルト陛下、どういう――」
「……家族でわいわいお鍋をする日も、そう遠くないだろう」
「!」
思いがけないリベルトの言葉に、アリアの顔も一瞬で赤くなる。両手で柚子鍋の入ったお椀を両手に持ち、顔の熱を誤魔化すようにスープをちみちみ飲む。
(いきなりプロポーズなんて、ずるい……!!)
不意打ちは、心の準備ができていないから止めてほしい。でも、すごく嬉しくて、心臓がドキドキしている。
「…………」
少しの間沈黙が流れるが、全然嫌だと思えない。しばらく、この雰囲気を楽しむようにふたりで食事を続けた。
「柚子鍋は、冬に食べる私のとっておきの料理なんです。昔、家族と一緒に食べるのが好きだったので……」
それは今ではなく、転生前のことだけれど……そこまで説明したりはしないしいいだろう。疲れたときや落ち込んだとき、よく父親が作ってくれたのだ。
だからアリアにとって柚子鍋は、家族で食べる、とっておきの料理なのだ。
「リベルト陛下なら、ローレンツ様と一緒に食べるのもいいと思いますよ」
「確かに、ローレンツと一緒にいる時間が一番長いからな。私が無茶な仕事をしているというけれど、本当はあいつが一番無謀なんだ」
「え?」
思ってもみなかったことを聞いて、アリアは思わず聞き返す。
「私より遅く寝て、私より早く起きることもざらだからな。昔は、いつ寝ているんだと不思議に思ったこともある」
「そうでしたか……」
どうやらふたりともが、仕事を抱え込みあまり休もうとしない体質のようだ。
これでは、最悪ふたりで共倒れてしまうのではないだろうか。
「でしたら、互いに互いを監視するしかありませんね。気遣い合えば、少しずつよくなっていきますよ」
「……そうだな。私もローレンツを気に掛けるようにしてみるよ」
「はい、そうしてあげてください。わたくしも、何かお手伝いできることがあれば協力させていただきますから」
一番協力できるのは食事の提供なのだが、いかんせんしあわせ食堂は列に並んでもらわないとお店に入らない。
それだとあまり休まることができないだろうと考えると、なかなか難しい問題だ。
「あとは……やっぱり、ふたりで一緒にお鍋をしてみるのがいいかもしれませんね」
大人数でわいわい食べるのもいいけれど、ふたりで食べるのも仲良くなれていいものだとアリアは思う。
リントは頷きながらも、やはり大人数でも食べてみたいなと告げる。
「お鍋は大勢で食べると楽しいですからね。……今は、私とリベルト陛下のふたりだけですけど」
「……すぐに迎えにいくから、問題はない」
「え?」
「…………」
なんだか的を得ていないような返事に、アリアは疑問の声をあげる。どういう意味なのかリベルトに問おうとしたが、彼の頬が少し赤いことに気づく。
リベルトはそれを隠すようにおにぎりを食べて、柚子鍋のお代わりをする。
アリアは無言で食べるリベルトを見ながら、なんだったのかと考える。お鍋が大勢や家族で食べると楽しくて、今はアリアとリベルトのふたりだけ。
でもそれは、問題ない。
(ふたりから人が増えるっていうこと?―)
「リベルト陛下、どういう――」
「……家族でわいわいお鍋をする日も、そう遠くないだろう」
「!」
思いがけないリベルトの言葉に、アリアの顔も一瞬で赤くなる。両手で柚子鍋の入ったお椀を両手に持ち、顔の熱を誤魔化すようにスープをちみちみ飲む。
(いきなりプロポーズなんて、ずるい……!!)
不意打ちは、心の準備ができていないから止めてほしい。でも、すごく嬉しくて、心臓がドキドキしている。
「…………」
少しの間沈黙が流れるが、全然嫌だと思えない。しばらく、この雰囲気を楽しむようにふたりで食事を続けた。