クールな御曹司の本性は、溺甘オオカミでした
どうしよう、ぶっ続けで運転している千石くんを本当は休ませてあげたい。でも、ペーパードライバーの私が千石くんの車を運転するわけにもいかない。事故を起こしたら、私の運転じゃ保険も降りないし……。それなら、やっぱりこのあたりで宿でも取るべきだろうか。
「本当は宿泊して帰りたいんですが、高速近くのシティホテルのチェックインは24時までですね。今から山ひとつ超えて戻っていたら間に合わない」
スマホで検索をかけながら千石くんが言う。
「このあたりでぱっと泊まれるのはラブホテルくらいですね」
「らっらぶっほてるっ!?」
動揺で壮絶に噛み倒しながらオウム返しする私。千石くんがくつくつと可笑しそうに笑った。
「可愛いなぁ、真純さんは。俺とラブホテルに入る想像をしてくれたんですか?」
冷静に!冷静になって、真純!
自分を鼓舞しながら、極力素っ気なく答える。
「また何をバカなことを言い出したのかと引いだけよ」
「想像くらいしてくださいよ」
不意に耳元に顔を寄せられ、私は助手席の広くはないスペースで思い切り後ずさった。慌てまくった無様さは『あなたを意識してます』丸出しだ。
暗い社内でも頬の赤さはバレてしまうだろうし、下手したら心臓の鼓動だって聞こえてしまいそう。
けして、千石くんとそんな関係になることを望んでいるわけじゃない。
でも度重なる彼の優しい心遣いを嬉しく思ってる私がいる。カバンの中には小さなお礼の品もある。
御曹司で会社の後継者という看板を剥ぎ取った彼自身を嫌いだとは思っていない。
心臓が苦しい。
ふたりっきりの車内は空気の密度が濃くて、胸が熱い。
「本当は宿泊して帰りたいんですが、高速近くのシティホテルのチェックインは24時までですね。今から山ひとつ超えて戻っていたら間に合わない」
スマホで検索をかけながら千石くんが言う。
「このあたりでぱっと泊まれるのはラブホテルくらいですね」
「らっらぶっほてるっ!?」
動揺で壮絶に噛み倒しながらオウム返しする私。千石くんがくつくつと可笑しそうに笑った。
「可愛いなぁ、真純さんは。俺とラブホテルに入る想像をしてくれたんですか?」
冷静に!冷静になって、真純!
自分を鼓舞しながら、極力素っ気なく答える。
「また何をバカなことを言い出したのかと引いだけよ」
「想像くらいしてくださいよ」
不意に耳元に顔を寄せられ、私は助手席の広くはないスペースで思い切り後ずさった。慌てまくった無様さは『あなたを意識してます』丸出しだ。
暗い社内でも頬の赤さはバレてしまうだろうし、下手したら心臓の鼓動だって聞こえてしまいそう。
けして、千石くんとそんな関係になることを望んでいるわけじゃない。
でも度重なる彼の優しい心遣いを嬉しく思ってる私がいる。カバンの中には小さなお礼の品もある。
御曹司で会社の後継者という看板を剥ぎ取った彼自身を嫌いだとは思っていない。
心臓が苦しい。
ふたりっきりの車内は空気の密度が濃くて、胸が熱い。