クールな御曹司の本性は、溺甘オオカミでした
「なんちゃって、そんなに警戒しないで。運転しますから東京に帰りましょう」
「千石くん、疲れてない?」
「あなたが隣にいるから疲れません。真純さんは寝ていてくださいね」
千石くんは笑顔でエンジンをかけ直し、無人のコンビニ駐車場から車を発進させた。
私だったら運転を躊躇うようなクネクネした峠道を越え、高速道路に乗る。
私が眠れるようにと千石くんは話しかけてこない。車内には知らない洋楽がかすかな音で流れている。甘い男性の声は穏やかな気持ちになるけれど、私は眠れず助手席で車窓を眺めていた。
私が眠れないことを千石くんも気づいているようで、埼玉県に入って間もなく休憩を提案してきた。
サービスエリアは夜間でもフードコートが開いている。そして、トラックの運転手や旅行客、夜行バスの乗客などで、利用客は深夜でも結構いるものだ。
「ラーメン、食べるの?」
券売機でチャーシューメンと麺大盛りのボタンを押している千石くんの背に声をかける。1時間ほど前におにぎりを食べたじゃない。
「足りなかったみたいです。腹減っちゃって」
苦笑いする千石くんは、さすが26歳だ。身長も大きいし骨格もしっかりしてる。おにぎりふたつくらいじゃ足りないのね。
「食べすぎると眠くなるわよ」
「気をつけます」
あとからコーヒーの食券を二枚買って受け取り、四人がけの席へ。千石くんが座っている、斜め向かいの席に座った。
チャーシューメンはすぐに出来上がり、千石くんは旺盛な食欲で麺をすする。いつも大人っぽく頼りになる彼が、ラーメンを食べている姿は少年みたいに見える。
お金持ちのお坊ちゃんが深夜のサービスエリアでラーメンをすすっている。なんともミスマッチだ。でも、個人的には悪い光景じゃない。ホテルディナーの時とは違う非日常感が心地よい。
「千石くん、疲れてない?」
「あなたが隣にいるから疲れません。真純さんは寝ていてくださいね」
千石くんは笑顔でエンジンをかけ直し、無人のコンビニ駐車場から車を発進させた。
私だったら運転を躊躇うようなクネクネした峠道を越え、高速道路に乗る。
私が眠れるようにと千石くんは話しかけてこない。車内には知らない洋楽がかすかな音で流れている。甘い男性の声は穏やかな気持ちになるけれど、私は眠れず助手席で車窓を眺めていた。
私が眠れないことを千石くんも気づいているようで、埼玉県に入って間もなく休憩を提案してきた。
サービスエリアは夜間でもフードコートが開いている。そして、トラックの運転手や旅行客、夜行バスの乗客などで、利用客は深夜でも結構いるものだ。
「ラーメン、食べるの?」
券売機でチャーシューメンと麺大盛りのボタンを押している千石くんの背に声をかける。1時間ほど前におにぎりを食べたじゃない。
「足りなかったみたいです。腹減っちゃって」
苦笑いする千石くんは、さすが26歳だ。身長も大きいし骨格もしっかりしてる。おにぎりふたつくらいじゃ足りないのね。
「食べすぎると眠くなるわよ」
「気をつけます」
あとからコーヒーの食券を二枚買って受け取り、四人がけの席へ。千石くんが座っている、斜め向かいの席に座った。
チャーシューメンはすぐに出来上がり、千石くんは旺盛な食欲で麺をすする。いつも大人っぽく頼りになる彼が、ラーメンを食べている姿は少年みたいに見える。
お金持ちのお坊ちゃんが深夜のサービスエリアでラーメンをすすっている。なんともミスマッチだ。でも、個人的には悪い光景じゃない。ホテルディナーの時とは違う非日常感が心地よい。