クールな御曹司の本性は、溺甘オオカミでした
「あの男ね、『真純は俺に未練があるから、セフレでキープできる』とかクズそのものの話を男友達にしてたみたい。ホントどうしようもない男!それがね、次に歩くんが会った時には『真純は二股かけてた!別れてすぐに顔がいい男と付き合ってた!』って言うんだって。ま、歩くんが『おまえと真純ちゃんは違うだろ』って一蹴して終わったみたいだけど。だから、真純が自分から話してくれるのを待ってたんだよ、私」

あの時、千石くんは私の彼氏のフリをしてくれた。大翔を追い払うために。
そんなことすら、もう遠い過去のことみたい。

「この前会って納得しちゃった。彼、真純のこと大事そうに見てたもんね。すごくすごく好きなんだなあって伝わってきたよ」

私は野々花の言葉に下唇を噛みしめた。うまく笑わないといけないのに、頬の筋肉がうまく動いてくれない。

「野々花、そんな滅多なこと言っちゃ駄目。千石くんはたまたま大翔と話してるところに居合わせて口裏を合わせてくれただけなんだから。彼ね、うちの会社の御曹司なんだ」

野々花が驚いた表情になる。私はつらつらと続けた。

「世界が違うのよ。庶民とは全然。それに、若くて可愛いお嬢さんと婚約が決まったばかりなの。私なんかが変な噂の元になったら可哀想。ね、もう、この話は終わりね!」
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