クールな御曹司の本性は、溺甘オオカミでした
18時15分、会社から一番近いカフェの奥まった席で彼女は待っていた。
横手愛梨さん。新入社員の23歳。
可愛いぷっくりとした唇を尖らせ、張り詰めた表情は、彼女が楽しい用事で私を呼び出したわけじゃないことがすぐわかる。その姿を遠目に確認しながらレジでコーヒーを買う私。
あれか。持田さんたちの言ってたあれか。
やっぱりヤツ絡みなのか。
「遅くなってごめんなさい」
私はあくまで余裕のある大人の笑顔で買ったばかりのコーヒーマグを持って登場した。
だって、ドラマでも漫画でもこういうシーンの女の先輩は狼狽えない。ヒロインより数段大人に見えるものだ。彼女がヒロインってわけじゃないけど、この緊張感、確実に覚悟を持ってやってきてるのがわかる。
「お呼びたてして申し訳ありません」
着席すると彼女が頭を下げた。
「いいえ。横手さんとちゃんと話したことなかったね」
「私は覚えています。新入社員研修で総務部の仕事を説明してくださったのは阿木さんですから」
早口でキツイ声音。うう、嫌な予感。
慄いているところを見せないようににっこり笑って見せる。
「それで?何の御用?」
「単刀直入に申し上げます」
きりりと眉を張り、横手さんが背筋を伸ばした。
横手愛梨さん。新入社員の23歳。
可愛いぷっくりとした唇を尖らせ、張り詰めた表情は、彼女が楽しい用事で私を呼び出したわけじゃないことがすぐわかる。その姿を遠目に確認しながらレジでコーヒーを買う私。
あれか。持田さんたちの言ってたあれか。
やっぱりヤツ絡みなのか。
「遅くなってごめんなさい」
私はあくまで余裕のある大人の笑顔で買ったばかりのコーヒーマグを持って登場した。
だって、ドラマでも漫画でもこういうシーンの女の先輩は狼狽えない。ヒロインより数段大人に見えるものだ。彼女がヒロインってわけじゃないけど、この緊張感、確実に覚悟を持ってやってきてるのがわかる。
「お呼びたてして申し訳ありません」
着席すると彼女が頭を下げた。
「いいえ。横手さんとちゃんと話したことなかったね」
「私は覚えています。新入社員研修で総務部の仕事を説明してくださったのは阿木さんですから」
早口でキツイ声音。うう、嫌な予感。
慄いているところを見せないようににっこり笑って見せる。
「それで?何の御用?」
「単刀直入に申し上げます」
きりりと眉を張り、横手さんが背筋を伸ばした。